ナーチャリング(顧客育成)とは?意味から効率的な手法・メリットを徹底解説

売上向上や営業活動の効率化を目指すためには、顧客を育成するナーチャリングが重要です。顧客に合わせたナーチャリングを実施すれば、顧客の購買意欲を高め、売上の向上につながります。

この記事では、マーケティングや営業に欠かせないナーチャリングの意味ややり方、メリットなど幅広く解説します。効率的な手法やデジタルツールも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

ナーチャリングとは

パズルのピースをはめている画像

ナーチャリングは、「顧客育成」を意味するビジネス用語です。具体的には、見込み顧客を定期的にフォローアップし、購入・受注につなげるためのプロセスのことです。

連絡先を保有する見込み顧客は「リード」と呼ばれるため、見込み顧客への顧客育成を「リードナーチャリング」と呼ぶ場合もあります

また、ナーチャリングは見込み顧客のみならず、既存顧客の売上拡大を目的としてもおこなわれます。既存顧客の育成は、取引内容の拡大などに効果的ですが新規顧客の獲得よりもハードルは低く、売上向上を目指しやすいといわれています。

リピーターなどの自社への貢献度が高い優良顧客へのナーチャリングも重要です。優良顧客の育成により、他社への移行を防ぐことにもつながります。

ナーチャリングが重要な理由

スーツの男性2人が話している画像

ナーチャリングは、マーケティングにおいて非常に重要です。ここでは、なぜナーチャリングが重要とされているのか、理由について解説します。

  • 顧客から自社商材を選ばれやすくするため
  • 中長期的に顧客へアプローチするため
  • 休眠顧客の掘り起こしのため

ナーチャリングの重要性を知り、マーケティングや営業効率化に役立てましょう。

顧客から自社商材を選ばれやすくするため

ナーチャリングは、顧客に選ばれるために重要なマーケティング活動です。インターネットやスマートフォンの普及により、顧客が情報収集のみならず、複数の商材を比較しやすい環境になっています。

そのため、インターネットを活用したナーチャリングによって、商材を知ってもらう機会を増やすことが欠かせません。法人向け商材でもメールやSNSによるアプローチは、非常に効果的な手法でもあります。

中長期的に顧客へアプローチするため

昨今では、短期的なマーケティングでは購入・受注に至らない傾向にあるため、ナーチャリングは重要といわれています。

先述したように、スマートフォンやSNSの普及により、顧客が情報を収集しやすいため、商材を購入するまでの時間やプロセスが長くなっています。

売る側は、中長期的なアプローチをおこなう必要があり、ナーチャリングによって顧客と良好な関係性を築き、商材を購入してもらえるような営業活動が重要です。

休眠顧客の掘り起こしのため

ナーチャリングは新規顧客の獲得だけでなく、休眠案件や失注案件にも有効な手法です。

現在ではアプローチしていない顧客や購入に至らなかった顧客でも状況の変化により購入・受注となる可能性があります。人の手で連絡を継続的に取る事は難しいですがデジタル活用により効率的なナーチャリングが実現可能です。

休眠顧客は購入・受注に繋がらないと諦めている企業も多いですが、休眠顧客は今後売上拡大に繋がる大きなマーケティング・営業資産です。少しでも売上につなげるため、ナーチャリングは非常に重要といえます。

ナーチャリング実行までの4ステップ

女性がPCで作業している画像

ナーチャリングは、以下の手順で進めましょう。

  1. 社内外で情報収集
  2. ナーチャリングする見込み顧客の特定
  3. 見込み顧客が購入・受注するまでプロセスを分析
  4. 分析内容に従ってアプローチ

社内外で情報収集

ナーチャリングは顧客情報のデータをまとめるところから始めます。顧客情報は以下のようにさまざまな形で散在しています。

  • 社内にある名刺などのデータ
  • 自社サイトのトラッキング情報
  • サイトで入手したメールアドレス
  • セミナー時のアンケート結果 など

個人や部署など、企業内で顧客情報がバラバラに管理されているケースもあるため、情報を収集し一元管理しましょう。

ナーチャリングする見込み顧客の特定

続いて、収集した情報をセグメントし、アプローチしたい顧客を特定します。法人営業企業がセグメントする際の一例を、以下に記載しています。

  • 業種
  • 売上
  • 従業員規模
  • 取引履歴
  • 直近の商談状況 など

顧客をセグメントし、顧客のニーズや想定課題を分析すれば、アプローチすべきターゲット層を特定することが可能です。  

見込み顧客が購入・受注するまでプロセスを分析

見込み顧客をセグメントしたあとは、顧客が商材に興味を持ってから購入するまでのステージを分けましょう。ステージを分ける際は、「AIDMA」「AISAS」といったフレームワークを利用するのがおすすめです。

AIDMAのプロセス詳細
Attention(注意)Webサイトや競合情報などで商材を知る
Interest(興味)商材の強みや機能などを知り、興味を抱く
Desire(欲求)商材を購入・契約することによって、希望を叶えられると感じる
Memory(記憶)広告などで欲求を思い出す
Action(行動)きっかけにより購入する
AISASのプロセス詳細
Attention(注意)Webサイトや競合情報などで商材を知る
Interest(興味)商材の強みや機能などを知り、興味を抱く
Search(検索)インターネットで情報収集をする
Action(行動)商材を購入・契約する
Share(共有)商材を口コミなどでシェアする

上記のフレームワークで、特定した見込み客は「それぞれどのプロセスであるか」「どういうアプローチをおこなう事で、次のプロセスにナーチャリングできるのか」を分析してください。

分析内容に従ってアプローチ

見込み顧客の現状を分析したあとは、その内容に従って顧客にアプローチします。ナーチャリングに有効な方法は以下のとおりです。

ナーチャリングに
有効な方法
詳細
ホワイトペーパーサービス資料を作成する競合する商材と比較しやすい
メールマガジン・ステップメール開封率やクリック率がわかる顧客が欲しい情報を自動で送れる
セミナー見込みの高い顧客を集められる参加者が何に興味があるか想定しやすい
SNS見込み顧客とつながりやすいシェアしてもらえれば、新規顧客の獲得につなげられる
Web上の行動把握顧客の興味を持っているものがわかる接触すべきタイミングも判断できる

各方法を組み合わせ、継続的にコミュニケーションすれば、購買意欲を高めることが可能です。

ナーチャリングの3つのメリット

男性がタブレットで操作している画像

ナーチャリングをおこなうと、以下のようなメリットを得られます。

  • 新規営業活動の効率アップ
  • 顧客の長期フォローの自動化
  • 既存顧客の継続率向上

それぞれ順に見ていきましょう。

新規営業活動の効率アップ

ナーチャリングには、非効率なマーケティング・営業活動を避けて効率化を図れるメリットがあります。

ナーチャリングによって見込み顧客の興味や行動を分析できるため、適正なタイミングで顧客ニーズに合わせてアプローチしやすくなります。

広く情報を発信を行い、好感触の顧客にのみ対応する事で行動量に頼ったマーケティング・営業活動から脱却できるため大幅に効率アップをおこなえます。

顧客の長期フォローの自動化

ナーチャリングによって、担当者と顧客の付き合いだけに頼らない営業が可能です。

営業マンの属人的な顧客対応に依存している場合、リソースの観点から継続的なフォローは難しい傾向にあります。

ナーチャリングを仕組化する事で、リソースを削減しながら長期的なフォローと新人でも顧客のフォローが可能になり、効率的な顧客対応を実現できるでしょう。

既存顧客の継続率向上

ナーチャリングには、売上を安定させる効果があります。

顧客が自社商材のファンになってくれる場合、継続利用が見込め、新規顧客が増えにくい状況でも事業は安定します。

マーケティング・営業では新規顧客獲得に目を向けられがちですが、既存顧客の継続率向上や取引単価増額をおこなう事ができれば、事業の売上予算を達成する可能性が大きく高まります。

ナーチャリングの効率を高める方法

男性がビジネスを成長させている画像

よりナーチャリングの効果を高めたいときは、以下の方法がおすすめです。

  • デジタルツールの導入
  • 部署の枠を超えて連携する
  • 運用体制を構築してPDCAを回す

デジタルツールの導入

ナーチャリングに必要不可欠な顧客情報の管理や分析には、デジタルツールを導入することが必須です。CRMツールやMAツールは、顧客情報の管理や分析、ナーチャリングのアプローチを効率的におこなえます。

CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客管理システムのことです。顧客の氏名や商談履歴、購入した商材などを管理できるほかに、情報の分析も可能です。

また、社内で共有できるシステムでもあるため、属人化を防げる効果も期待できます。

MA(Marketing Automation)とは、マーケティングを自動化できるツールのことです。メルマガ自動配信や見込み顧客の判別(スコアリング)、顧客行動/ニーズ分析などの機能があります。

複雑な管理・分析や継続的なナーチャリングのアプローチを手作業でおこなうのは現実的ではないため、CRMやMAのようなデジタルツールの導入しましょう。

導入するデジタルツールの選び方

デジタルツールを導入する際は、自社の課題やツール導入の目的を明確にすることが大切です。課題や目的に合わないデジタルツールを導入しても、成果を出すのは難しいでしょう。

また、従業員が使いこなせるデジタルツールを選ぶのも有効です。使い方が複雑なツールは、業務効率を下げてしまう可能性があります。

デジタルツールの仕様の分かりやすさだけでなく、「自社の業務プロセスに合うか」または「デジタルツールの仕様に業務プロセスを合わせる事ができるか」は非常に重要となっており、この点を加味せずに導入してしまい成果の出ない企業は多くあります。

どのデジタルツールを導入すべきか迷ったときは、アンドデジタルにご相談ください。アンドデジタルは、創業以来、デジタル・データ活用によって中小・ベンチャー企業の売上向上に貢献してきた会社です。

デジタルツールの選定や導入、定着化などもサポートしているため、ナーチャリングの成功にもつながります。

ナーチャリング向けおすすめツール

ナーチャリングに役立つデジタルツールは「HubSpot」です。

HubSpotはCRM、MA機能を搭載しており、ナーチャリングに必要な機能が備わっています。また、業務を自動化する機能もあり、ナーチャリングを自動的におこなう事が可能です。

ナーチャリングが初心者でも、Webサイト作成やメール配信、顧客分析、自動化などを簡単におこなえるため、便利なツールとして知られており、機能に対して安価で始めやすいのも特徴です。

項目料金
初期費用無料
MA・CRM料金体系無料ツール:0円
Starter CRM Suite:月3,600円~
Professional:月96,000円~
Enterprise:月432,000円~
HubSpotの種類Marketing Hub:マーケティングオートメーションソフトウェア
Sales Hub:営業支援CRMソフトウェア
Service Hub:カスタマーサービスソフトウェアCMS
Hub:コンテンツマネジメントシステム
Operations Hub:オペレーション支援ソフトウェア
無料機能メールマーケティング
ランディングページ
ウェブチャット
Facebook、Google、LinkedInの広告管理
コンタクト管理 など
特徴16万7,000社以上が導入無料ツールあり
公式サイトHubSpot

部署の枠を超えて連携する

購入・契約までの顧客行動は一連の流れになっており、マーケティング部門と営業部門の連携は、ナーチャリングに欠かせません。

ナーチャリングを担うのはマーケティング部門、顧客への提案活動は営業部門が担当するのが一般的です。

顧客獲得のプロセスやアプローチの履歴などの情報を共有すれば、商談や受注理由の分析などにも活かせます。

マーケティング部門と営業部門が分かれていると情報を共有しづらいため、デジタルツールを導入後、マーケティング部門・営業部門で連携できる環境を構築しましょう。

運用体制を構築してPDCAを回す

ナーチャリングの施策が一度で成功する保証はないため、施策のPDCA(Plan-Do-Check-Act)を回すことが重要です。PDCAを回すときは、以下のことを意識してください。

  • 反応を見てターゲットのニーズを満たす情報提供が出来ているか確認する
  • 複数のパターンを試し、定量的な結果で良し悪しを判断する
  • ターゲットに対して適正なアプローチ方法を行えているか整理する
  • メールやホワイトペーパーなどが伝わりやすいデザインか第三者の目線で確認する
  • ターゲットの視点に立ち、興味関心が沸く内容になっているか確認する

施策の前後で数値を比較し、成果が得られているのか確認しながらナーチャリングに取り組みましょう。

ナーチャリングを実行する際のポイント

黒板にポイントと書いている画像

ナーチャリングを成功させるためには、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • すぐに成果を求めない
  • ナーチャリングのための体制構築
  • 目標数値、計画を設定する

すぐに成果を求めない

ナーチャリングは、すぐに成果の出るものではありません。さまざまなアプローチによって中長期で効果を発揮する施策のため、短期的に結果が出るとは考えないようにしましょう。

初期投資をすぐに回収することは難しいですが、中長期的にみると大きな成果をもたらします。ナーチャリングをはじめる前に計画を立てて取り組むことが大切です。

ナーチャリングのための体制構築

MAなどのデジタルツールでナーチャリングをおこなう際、PDCAによる改善が前提となるため体制構築は必須となります。

体制構築ができていない場合はナーチャリングを継続するのが難しくなるため、注意が必要です。

自社内だけで対応が難しい場合は、協力会社と連携しながら体制構築をおこないましょう。

勝ちパターンが見つかればナーチャリング環境の構築、運用に関するリソースは大きく軽減されるため、勝ちパターンが見つかるまでの間だけでも協力会社と連携する事をおすすめします。

目標数値、計画を設定する

ナーチャリングの良し悪しを判断するために目標数値と計画の設定は重要です。目標、計画がある事でいつ何をすべきか明確になり、中長期で成果拡大をおこなうナーチャリングで組織的かつ継続的に運用を取り組む事が可能です。

初めてデジタルツールを活用してナーチャリングをおこなう企業は、必ず定量的な目標と計画を設定し、デジタルツールから確認できる結果と照らし合わせながら改善していきましょう。

まとめ

男性が指をさし成長を表している画像

インターネットやスマホが普及し、誰でも情報を収集しやすくなった昨今、ナーチャリングはマーケティングや営業において欠かせないもので、もちろん法人営業企業も例外ではありません。

ナーチャリングを実施して、顧客の長期フォローのシステム化や営業活動の効率アップ、売上げの継続を目指しましょう。

ナーチャリングの効率を高めるためには、デジタルツールの導入や部署の枠を超えての連携、PDCAを回して施策することが重要です。

デジタルツールの導入やデジタル活用で困ったときは、データ活用で企業の売上向上に貢献してきたアンドデジタルにご相談ください。課題や目的に合ったデジタルツールを提案するので、ナーチャリングを成功させましょう。