データウェアハウス(DWH)とは?特徴や選ぶ際のポイントを解説

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企業や組織における事業活動で、日々生じるデータを有効活用したいとお考えではありませんか。

データウェアハウスに関するツールを導入することで、様々なデータの集約と分析が可能となり、経営判断や意思決定がスムーズになるのでおすすめです。

今回はデータウェアハウス(DWH)に関する基礎知識、導入するメリット・デメリット、そして選ぶ際のポイントについてお話します。

データウェアハウス(DWH)に関する基礎知識

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はじめにデータウェアハウス(DWH)に関する基礎知識について解説します。

データウェアハウス(DWH)とは何か

データウェアハウスとは、企業や組織における事業活動で日々蓄積されていくデータを集約し、分析できるようにする仕組みや技術を指します。似たようなものにビッグデータと呼ばれるものがありますが、ビッグデータはさらに膨大な量のデータの塊であり、データウェアハウスにおけるデータの参照先・情報源です。

データウェアハウスを活用していくことで、規模やデータ量に違いはあっても、日々生じる様々なデータがビッグデータとして活用及び再利用できるようになり、企業や組織における情報資産としての価値を生み出せるようになります。課題や問題の抽出もしやすくなり、同時に新しいアイデア、新しい商品、新しいサービスなどを生み出す材料にもなっていくでしょう。

データウェアハウス(DWH)の必要性や重要性

データウェアハウス(DWH)の必要性や重要性として、現代ではデータの集約と分析をいかに効率的に行っていくかどうかが、ビジネスの成功や安定に強い影響があるということが挙げられます。例えば、売上が好調な店舗が存在しているのに、何もしなければさらに売り上げを伸ばすことはできません。同様に売上が達成しない店舗があり、課題や問題を抽出し、改善する必要があるのに手を打たなければ、さらに状態は悪化していくでしょう。

同じような状況が商品やサービスごと、もしくは営業担当者ごとに生じているとすれば、ビジネスにおけるチャンスを逃し続けていることにもなりますし、赤字続きになってしまう可能性もあります。データウェアハウスによって情報を集約し、分析できるようにすることが重要である理由でもあり、事業活動の状況を可視化・共有・把握する必要がある理由とも言えるでしょう。

データウェアハウスの仕組みを利用できる代表的なサービス

Google:BigQuery
Amazon:Redshift
Microsoft:Azure Synapse Analytics

上記はデータウェアハウスの仕組みを利用できる代表的なサービスの一例です。その他にもOracleやIBMなど業務アプリケーションやクラウドサービスを提供しているベンダーにおいてもデータウェアハウスと同等のサービスが提供されていることもあります。

主要なベンダーがデータウェアハウスに関する仕組みを提供していることは、データの分析や集約が重要であることを示していると言えるでしょう。実際に企業が社内の状況を可視化することで、課題や問題の抽出とともに、顧客のニーズやトレンドを把握することにもつながります。その他にも生産性の向上やコスト削減などの改善を行うためにも、まずは状況を把握し、分析し、判断していくためにもデータウェアハウスの仕組みや技術は導入すべきということは明白です。

データウェアハウス(DWH)を利用するメリット

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次にデータウェアハウス(DWH)を利用するメリットについて解説します。

企業や組織における情報が集約され把握しやすい

データウェアハウス(DWH)を利用するメリットとして、企業や組織における情報が集約され把握しやすいことが挙げられます。企業や組織で日々生じる情報は、時間や場所、属性や性質などによって一つ一つは小さく、細かい数字や文字列ばかりです。必要な項目を抽出し、項目に合わせて計算や加工を行い、整理整頓しなければ分析する判断材料として扱うことはできません。

実際にアナログで非効率な古い独自の基幹システムの場合、入力された情報をCSVなどで出力し、表計算ソフトなどに取り込み、関数などを用いて加工しなければ、データとして活用することはできませんでした。データウェアハウスであれば、顧客や各部門や部署の担当者が入力した情報が自動で集約され、データベースとして蓄積し、必要な情報をすぐに取り出せるようになるため、可視化と把握がしやすくなるのです。

リアルタイムで正確な情報により経営判断がしやすい

データウェアハウス(DWH)を利用するメリットとして、リアルタイムで正確な情報により経営判断がしやすいことが挙げられます。例えば人力や手動で計算を行った場合、人為的なミスが発生する可能性は否めません。せっかく時間や労力をかけているのに、不正確な数字を参考にしてしまう可能性があるのです。

データウェアハウスの場合は自動的にデータが集約され、任意で設定した形にデータが自動で加工されるため、人為的なミスが発生しにくく、リアルタイムで正確な情報が手に入ります。状況の変化が逐一把握できるようになることで、迅速に経営判断ができるようになり、事業活動を停滞させることなく、安定的な経営が実現できるようになるのです。

課題や問題の抽出と効果測定及び改善に役立つ

データウェアハウス(DWH)を利用するメリットとして、課題や問題の抽出と効果測定及び改善に役立つことが挙げられます。リアルタイムで正確な情報は、数字が発生する部門や部署、担当、顧客、実店舗や倉庫など場所や時間に応じて、現在の状況を可視化することができるのが理由です。

明らかに前年比より数字が下がっていたり、進捗状況が芳しくなかったりするような場合、何らかの課題や問題が発生していることが考えられます。数字に基づいて調査や分析を行うことで、課題や問題が浮き彫りになれば改善することが可能になるのです。

同様にイベントやキャンペーン、マーケティング施策などにおいて、実施した結果が数字で現れることで、効果測定に活用することができます。想定していたよりも効果が高い、もしくは低い場合に改善を行えるようになることから、より最適化された営業活動やマーケティング活動ができるようになるでしょう。

データウェアハウス(DWH)を利用するデメリット

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次にデータウェアハウス(DWH)を利用するデメリットについて解説します。

導入や運用に関する学習コストがかかる

データウェアハウス(DWH)を利用するデメリットとして、導入や運用に関する学習コストがかかることが挙げられます。データウェアハウスに関連するツールやシステムを扱うためには、データの収集や加工、分析や保存、セキュリティを考慮しながら共有する必要があるのが理由です。同時に詳細な分析を行いたい場合、ツールやシステムの扱いに長けたエンジニアを雇い入れたり、場合によってはデータサイエンティストに分析を依頼したりする必要が出てきます。

特に業界や業種によっては、データウェアハウスの仕組みを導入できる技術を利用するための、技術的な基盤がない恐れもあるため、関連するツールやシステムを導入したのに扱いこなせないということも出てくるでしょう。技術的な部分で不足があると感じる場合は、データウェアハウスの仕組みや技術を活用できる段階にするためには、外部の専門家やコンサルティングの利用も検討すべきということです。

実務担当者にフィットせず、エンジニアに過度に依存してしまう

データウェアハウス(DWH)を利用するデメリットとして、実務担当者にフィットせず、エンジニアに過度に依存してしまうことが挙げられます。技術的な部分においてエンジニアに任せたり、依存したりすること自体は間違いではありませんが、データウェアハウスの仕組みや技術を導入するためにエンジニアに過度な負担が増えてしまえば他の業務に支障が出てしまうということです。

実際に一般事務の方やバックオフィス系業務を担う方に、いきなりデータウェアハウスのツールやシステムを使ってくれと言ってもなかなか馴染むことはできません。解決するために新しくエンジニアを雇い入れるとすれば、保守運用コストも増えてしまいます。そのため導入の段階から着実に運用できるように、外部専門家によるサポートを受けることを視野に入れ、 現場の実務担当者が利用できるように促すことが重要になってくるのです。

事業活動全体の業務の流れを見直す必要がある場合も

データウェアハウス(DWH)を利用するデメリットとして、事業活動全体の業務の流れを見直す必要がある場合もことが挙げられます。データウェアハウスの仕組みや技術の導入に限ったことではありませんが、新しいシステムやツールを導入し運用するためには既存の業務の流れを見直さなくては、データウェアハウスを利用するための基盤が整わないということです。

しかし、企業や組織における事業活動全体をデジタル化するには、必ず変化する必要があります。特にアナログで古く、非効率的なやり方を続けているような場合は、データウェアハウスの仕組みや技術を導入するタイミングで、様々な部分のデジタル化をすること、最適化を目指すことが重要であると覚えておきましょう。

データウェアハウス(DWH)を選ぶ際のポイント

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次にデータウェアハウス(DWH)を選ぶ際のポイントについて解説します。

コストに見合ったパフォーマンス及びリターンが得られるか

データウェアハウス(DWH)を選ぶ際のポイントとして、コストに見合ったパフォーマンス及びリターンが得られるかが挙げられます。データの集約や分析にどれぐらいのコストが生じてくるのか、定額課金や従量課金なのかどうかも含めて、まずはどのような形でコストがあるのか調査をしましょう。

同時に分析に関する性能や制度、すなわちパフォーマンスについても調べておくことが大切です。信頼性や技術力がある程度担保されることを考えると、大手ベンダーのツールやシステムを利用した方が無難と言えます。弊社のおすすめはGoogleのBigQueryですが、MicrosoftのAzure Synapse AnalyticsやAWSのRedshiftなども十分なパフォーマンスを得ることができるため、比較検討の候補として入れておくと良いでしょう。

実務担当者の作業環境に合わせることが重要

データウェアハウス(DWH)を選ぶ際のポイントとして、実務担当者の作業環境に合わせることが重要です。例えば、オフィス関連やコミュニケーションについて、Google Workspaceの利用が多いのであれば、BigQueryを利用した方がスムーズですし、データの連携などもしやすくなります。同様にMicrosoft製品が多いのであればAzure、AWSを基軸として事業活動をしているのであればRedshiftと言ったように、主に利用しているベンダーに合わせて導入するのがおすすめです。

同時に、実務で利用しているその他のツールやサービス、もしくは企業の基幹システムとの連携についても考慮することが求められます。各種データベースと自動で連携することができれば、データを入力し同期する労力や手間も減りますし、人為的なミスが生じにくいため正確なデータが手に入るようになるでしょう。

導入や運用をサポートしてくれるかどうかも重要

データウェアハウス(DWH)を選ぶ際のポイントとして、導入や運用をサポートしてくれるかどうかも重要です。前述したようにデータウェアハウスの仕組みや技術は、データに関する知見や経験、ノウハウが必要なため、しっかりとしたサポートがないと活用しきれないのが理由です。

また、社内のITリテラシーによっては、弊社アンドデジタルのような導入の支援を受けることも前向きに検討しましょう。現実問題としてベンダーの説明やサポート、アドバイスでは難しすぎて、導入したものの運用できないということも考えられます。

特に事業活動のほとんどがデジタル化されていない、もしくはデジタル技術の導入が遅れている場合においては、迷わず専門家に相談し、着実に導入と運用が成功できるようにしていくことが大切です。

まとめ

今回はデータウェアハウス(DWH)に関する基礎知識、導入するメリット・デメリット、そして選ぶ際のポイントについてお話しました。

データウェアハウスの仕組みや技術については、デジタル化が進む現代においては欠かせない存在であるのは間違いありません。同業他社やライバル企業とのIT格差を生じさせないためにも、データウェアハウスについて理解し、データの集約や分析が行えるようにしておきましょう。

弊社アンドデジタルでは、GoogleのGCP(Google Cloud Platform)やBigQueryなどを用いて、データウェアハウスに関する仕組みや技術をビジネスに導入するサポートを行っております。営業活動やマーケティング活動のデジタル化や自動化によって、効率化や最適化が実現できますので、是非ともこの機会にご相談、お問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事がデータウェアハウスについて知りたかった方のお役に立てれば幸いです。