DX化で30%の業務削減!人の価値を最大限に高める業務効率化とは

北陸唯一の出雲大社分院として、昭和29年の設立以来たくさんの夫婦の誓いを見届けてきた結婚式場、株式会社出雲記念館。属人化していた業務フローを見直し、デジタル活用によって業務効率化を実現しました。なぜ多くの会社からアンドデジタルをパートナーに選んだのか、導入前後でどのような変化があったのか、副社長の伊藤さんにお話を伺いました。

伊藤 文啓
(いとう ふみひろ)
株式会社出雲記念館
取締役副社長

津田 翔平
(つだ しょうへい)
アンドデジタル株式会社
代表取締役社長

 

縁を結ぶ事業を幅広く展開

津田:㈱出雲記念館様の事業内容について教えてください。

伊藤:縁結びの神・福の神である大国主大神を御祭神とする出雲大社福井分院を主体とした結婚式場を運営しています。

特徴は、ブライダル事業を主軸としながら、貸衣装事業や記念日事業、スイーツ事業、MICE事業、ギフト事業、最近ではエステ事業まで、幅広く展開していること。さまざまなご縁を結ぶお手伝いをさせていただいています。

津田:非常に幅広く事業を展開されているのですね。伊藤さんは副社長としてどのような業務をされているのでしょうか。

伊藤:会社の経営に関わることなど、いろいろな仕事がありますが、一番力を入れているのはマーケティングです。結婚式を考えているお客様に㈱出雲記念館のことを知っていただき、まずは足を運んでもらう。そして㈱出雲記念館で結婚式を挙げたいと思っていただく。そのためにはどうすればいいか、日々試行錯誤しています。

デジタルを活用して業務を効率化したい

津田:㈱出雲記念館様がこれまで抱えていた課題について教えてください。

伊藤ペーパーレス化と業務フローの見直しが必須でした。

さまざまな事業を展開していることもあり、多くのパートナー企業とのやりとりが発生します。そのやりとりも、デジタルツールで完結する企業もあれば、FAXで送る企業、手渡しで書類を送る企業などさまざまです。書類の管理や検索において、非常に時間がかかっていました。

仕事においても部分的にデジタルツールを導入していましたが、途中に紙を挟む工程も多くて。紙がデジタルツールになっているだけで、効率化できていない状態でしたね。

そのほかにも、勤怠管理がデジタル化できていなかったりなど、細かなところを挙げればきりがありません。

津田:他社から転職してきた伊藤さんから見ると、かなり大変な状況だったのではないでしょうか。

伊藤:その通りです。私自身、無駄なことは極力減らしたいですし、どんどん見直していきたいと考えていました。

しかし、難しかったですね。ウェディング業界は、建物の美しさなどの「ハード」が重視される側面もあります。当社は「出雲大社」という大きな価値を有しているため、社員たちもそこまで大きな変革を求めていない状態でした。


しかし私は、「ソフト」すなわち「人」こそが一番大事だと思うのです。いかに人がホスピタリティを発揮できるかが、お客様の価値につながる。そう考えると、人がしている非効率な業務を減らし、もっと質を向上させて、目の前のお客様を喜ばせることが大事だと思っています。

津田:まさにその通りだと思います。サービス業は、本来「人」のやりとりで対価が発生します。しかし日本は諸外国と比べても、この時間が著しく少ないのです。非効率な業務が残っているからだと思いますね。

本来であれば、サービス業ほど業務効率化を進めなければいけません。その一方で、会社の文化や商習慣から進められない現状もある。「人」が大事であるからこそ、デジタルへの適応が難しいんです。もどかしいですよね。

伊藤:そうなんです。そのため、改革も一気にやるのではなく、小さく始めました。中には、風土や文化として根付いているものもあります。強行的に進めてしまい、結局浸透せずに終わることを危惧しました。社員の皆さんに納得していただくことを重視しましたね。はじめは自分だけだったのが、賛同してくれる少数精鋭のチームができ、少しずつ改革を進めることができました。

中小企業のDXに特化した手厚いサポート

伊藤:とはいえ、圧倒的な量の業務を自分たちだけで改革するのには限界があって。いくつかのデジタルツール会社さんを探し始めました。

津田:その中から、弊社を選んでいただいたのはなぜでしょうか?

伊藤:他社さんは感覚的ですが、「忙しそう」と感じたんです。私たちはデジタルに関して知見があるわけではないので、手厚いサポートをお願いしたかったのですが、どことなく忙しそうで。ちょっとしたことでも気軽に相談できるような、安心感を得られるところは見つかりませんでした。

そんなときに、アンドデジタルさんに出会ったのです。

津田:はじめてお会いしたのは、商工中金様の研修でした。その研修は、それぞれの会社の課題を持ち寄っていただき、実際の業務プロセスをデジタルに置き換えていくまで実践形式で学ぶ場でした。

伊藤さんは、ひときわ目立っていましたよ。熱量がすさまじかったですから。そのまま改革ができるのではと思うほど、しっかり考えていましたし、質問も多かったですね。

伊藤:ありがとうございます!実際に改革を進めている最中でしたし、フローを見直せる機会として非常にありがたかったですね。

津田:実際にお話をする中で、社内調整に悩んでいらっしゃることも聞きました。若い経営者あるあるですよね。

アンドデジタルは、デジタル・ データの力で中小企業の売上向上を支援してきました。デジタル活用からデータ環境構築までの成長ステップを専門的にサポートしているので、ぜひご支援させていただきたいと思いました。

伊藤:研修を進める中で、アンドデジタルさんは非常に親身になってくれる印象がありました。すでに自分だけで進めるのには限界だったので、すぐにお願いしましたね。意思決定までは、わずか数分だったと思います。

人とデジタルをつなげる「和譲」の考え方

津田まず、弊社がしっかりと業務理解をするために現状ヒアリングをさせていただきました。業務プロセスをどんなフローにするかを考えるためには、まずは業務の内容をしっかり見極める必要があります。㈱出雲記念館様のことはもちろん、ウェディング業界の特性や構造についても勉強しました。

伊藤:結果的に、アンドデジタルさんにお願いしたことで、30%は業務時間を削減できている印象です。圧倒的に業務がスリム化されて、助かっていますね。かつ、当社の社員が御社に相談しているのもよく目にします。アンドデジタルさんは全体を知っているから、非常に相談しやすいんです。

津田:気軽に相談していただけるのはとても嬉しいですし、お役に立てているのであれば非常に光栄です。

伊藤:自分たちだけでは到底できなかったので、本当にありがたいです。津田さんは、どのように考えて動いていたのですか?

津田:そもそも私たちは、既存のデジタルツールを販売するベンダーではなく、それぞれの悩みに合わせて仕組み化する会社です。もし「ただツールを売りたい」というこだわりがあれば、お客様の業務フローをツール側に合わせていただく必要があります。しかし私たちはお客様に合わせてデジタルツールやデータを活用して仕組化する事ができます。とはいえ、お客様が今実践しているフローが完璧であるわけではありませんし、デジタルツールができることにも限界があります。対話をしながら、お互いにニュアンスをすりあわせていますね。

㈱出雲記念館様の場合ですと、既存事業については現場のプランナーの方々に現在の業務内容をヒアリングさせていただき、デジタル化できる業務とアナログで残す業務とを精査したうえで、契約書を自動でクラウドに格納するなど、業務の効率化を図っていきました。

新規事業については、HubSpotを活用した顧客管理やマーケティング活動をするための基となる戦略設計や業務フローの構築から支援させていただきました。

また、導入後の「フィッティング」も大事にしています。デジタルツールを入れて、すぐ完璧に動くことはありません。調整しながら、適応させていく必要があります。弊社はいつでも相談できる存在として伴走させていただくことで、真の業務効率化をご支援できていると思います。

伊藤:なるほど。古くから出雲大社に伝わる教えに「和譲(わじょう)」の教えがあります。  大国主大神が天照大神に国を譲ったことがもととなっており、お互いに相手のことを思いやり、相手に対して譲る気持ちがあれば、双方の利益は調和しお互いに幸せになることができる、という教えです。

弊社ではこの教えを会社のルールブックにも掲載しており、自身の考え方や過去の経験などにとらわれず、新郎新婦の方はもちろんのこと、何よりゲストを深く知り、自身や自社の損得勘定ではなく、お客様に尽くすことを社員に徹底してもらっています。デジタルと人とのバランスを取っていくような考え方、どことなく同じ価値観を感じます。

人財の価値をDXで高めていきたい

津田:最後に㈱出雲記念館様の今後の展望を教えてください。

伊藤:ウェディング業界という特性上、儀式は残りますし、完全にデジタル化することはないと考えています。むしろ、本来の価値を最大化させるためにDXが寄与していくはずです。今後も、お客様に最大限の価値を提供するため、DXで業務効率化を進め、目の前のお客様にもっと喜んでいただけるよう精進していきます

津田:アンドデジタルも、㈱出雲記念館様がさらにお客様に価値を提供できるよう、伴走していきます。今後もよろしくお願いします。